先生のための<ひとこと集>(第13回)
先生のための<ひとこと集>(第13回)
ひとこと ⑬ 感受性(感性。センシィティビティ)・トレィニングを、実践しましょう。
これまで、感受性を高めることが、教育上も、他の点でも、どんなに重要であるかを、皆さんと見て来ました。
では、私達が、自分の感受性を、高めるにはどうしたら良いでしょうか?
自分の感受性を高める方法が、<感受性(感性。センシィティビティ)・トレィニング>です。
今回は、これから、その具体的方法を学びましょう。
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感受性(感性。センシィティビティ)・トレィニング。
<その、具体的方法>
(1)まず、自分の生活の中で、今までよりも、少し<集中すること>を心がけて下さい。
<集中する>とは、<今、何かをやっている時に、同時に、他の事を考えない>と言うことです。
<集中する>とは、<雑念がない>状態です。
座禅は、雑念を、取り払うための修行です。
座禅は、集中力を高めるための修行です。
残念なことに、大部分のおとなは、<今、何かをやっている時に、同時に、他の事を、考えている>のです。
<雑念が、ある>のです。
そして、その事に、気付いてさえ、いないのです。
因みに言えば、大部分の子供たちは、おとなより、はるかに集中力が高いのです。子供をよく観察すれば、誰でもが納得することが出きることです。だから、こどもは、あんなに、生き生きとして、元気がいいのです。
(2)次に、集中して、次の事を実行して下さい。
<シッカリ>と<集中して>とは、同意語です。
*人の話を、シッカリ、聞く。
特に、生徒、ひとり、ひとり、の話を、シッカリ、聞く。
「今、この生徒は、何を感じているのかな?」
*生徒と対話している時、シッカリ、自分の感じの変化を、感じ取る。
「今、私は、何を感じているのかな?」
*何かを、食べたり、飲んだりしている時、シッカリ、味わう。
「ビールの味が、瞬間、瞬間、どう変化して行くかな?」
「ご飯の味が、咬んでいるうちに、どう変化して行くかな?」
*本を読んでいる時、「自分の感じが、どう変化して行くかな?」と、 シッカリ、自分の心を見つめ、感じ取る。
*(その他、自分が何かをやっている時に、その事に集中力を発揮して下 さい。そして、自分の感じが、瞬間、瞬間、どう変化して行くか、を シッカリ、感じ取って下さい)。
(3)どんな能力でも、それを向上させるには、耐えざる努力、耐えざるトレィニングが必要です。
<集中力を高めること>、<感受性を高めること>も、簡単ではありません。
しかし、頑張れば、必ず、その能力を高めることが期待できるのです。
すべての人間には、<持って生まれた実現化傾向(性質)>(仮説)があることが、C・R・ロジャスの研究により実証されています。
実現化傾向(性質)とは、潜在的能力を、健全な方向に実際に発揮させ、実現しようとする性質のことです。
(4)さー! トレーニングの結果は、どうだったでしょうか?
*生徒の話を聞いている時、「この生徒は、悲しい時も、あるんだな」と今まで、感じ取れなかった感情を発見しませんでしたか?
*「ビールには、甘味があるぞ!」と、今まで感じなかった味の発見がありませんでしたか?
*「ビールが美味いのは、最初の一口だけだな!」と言うことに、始めて気付きませんでしたか?」
きっと、あなたは、いろいろな<気づき>や<新発見>を体験したのではないでしょうか?
もしそうなれば、<先生と生徒の関係>や<あなたと家族の生活>は、前より、緊密になり、豊かになり、充実したものになるのです。
(5)<感受性(感性。センシィティビティ)・トレィニング>の期間は?
私は、その期間は、生涯であるべきだ、と考えています。
なぜなら、私達、すべての人間は、生涯を通じて、自分の人間形成に努めるべきだと、私は考えているからです。
人間形成の方法は、このトレィニングのみであろう、と私は考えているのです。
人間形成のみが、人間を幸福に導く、と私は感じているからです。
私のこれまでの人間観察によれば、<感性の向上のみ>が、人間形成に役立つ、と私は感じているのです。
<感性の向上のみ>が、人間を幸福にするに違いない、と私は感じているのです。
私は、いくら知識を増やしても、人間形成には役立たない、と感じているのです。
もし、知識の増加が、その人の人格を高めるならば、すべての学者は、人格者になるはずですが、どうみても、実際は、そうはなっていないことは明らかです。
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いつでもコメントを心待ちにしている
どんぐりおじさん
(教育心理研究者。教育カウンセラー)