先生のための<ひとこと集>(第5回)
先生のための<ひとこと集>(第5回)
ひとこと ⑤<対話>における確認の価値について。
(1)今、ひとりの先生、と、ひとりの生徒、が、向き合って、対話に集中しています。
この時、一番、大切な事は何でしょうか?
それは、先生が、生徒の発言を、その都度、生徒に確認する事です。
例(1)・・・NG
生徒「僕、算数、大嫌いなんだ」
先生「そうか。それは困ったな」
例(2)・・OK
生徒「僕、算数、大嫌いなんだ」
先生「君は、算数が大嫌いなの?」
(2)では、先生が、生徒の発言を、その都度、生徒に確認する事に、どのような価値があるでしょうか?
生徒は、自分の発言を、先生に確認されることによって、<自分が、何を言ったか>を、始めて知ることが出来るのです。
これは、驚くべき事実です。
私達は、誰でも(おとなも、子供も)<今、自分が言ったこと>を、自覚していないのです。知らないのです。
これは、驚くべき事実です。
生徒は、<今、自分が言ったこと>を、自覚することによって、自分の発言の意味を再検討して、自己洞察が出来るのです。
生徒「僕、算数、大嫌いなんだ」
先生「君は、算数が大嫌いなの?」
生徒「うーーーん? 算数が嫌いと言うか、掛け算が出来ないから、算数が嫌いなんだ」
先生「掛け算が出来ないから、算数が嫌いだと思っているんだ?」
この対話が、先生にとっても、生徒にとっても、有意義である事は言うまでもありません。
この対話が、生徒の自己洞察が進行しつつあることを示しているからです。
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いつでもコメントを待っている どんぐりおじさん。
(教育心理研究者。教育カウンセラー)