どんぐりおじさんの<人間関係論>

教育学を中心に、人間関係論やコミュニケーション論などに関する私案を、いろいろ書いています

教育と支配(第4回)

                  教育と支配(第4回)

                                 

<支配>とは、ある人間が、他の人間を、自分の思い通りに動かそうとする傲慢な、非人間的な権力欲です!


<支配>は、人間の自由な行動の前に立ちはだかる<壁>となるのです!


教育(学校教育、家庭教育)の世界にも、いくつもの<支配>があり、<壁>があり、本来の教育を妨害しています。


今回は、教師による<支配>を取り上げます。



(2)教師が生徒を支配する。
こんなことが、本当にあるのでしょうか?
人間として対等なはずの、教師と生徒の間に、こんなことが本当にあるのでしょうか?
あなたは、どう思われるでしょうか?
この支配には、ネガティブな場合と、ポジティブな場合があります。


(2-1)ネガティブな支配。
この支配は、ネガティブ感情が生徒に表現されます。
ネガティブな感情とは、怒り、不満などのことです。
(ここまでが、前回の抜粋です)。



(今回は、ここからです)。



(2-2)ポジティブな支配。
この支配は、一見、外からは見えにくいのです。
なぜなら、教師の生徒に対する態度が、やわらかく、温かく、静かだからです。


さて、それはどんな態度でしょうか?
「君は、えらいなー! 今まで宿題をやってきた事がないのに、今度始めてやってきたんだね」。


この言葉が、先生の本心ならば、問題がないと思います。それどころか、生徒の励みとなるでしょう。生徒は喜ぶでしょう。


しかし、先生のこの言葉には、裏があったのです。先生の企みがあったのです。生徒を支配しようとする企みがあったのです。


先生は、心の中で「こう言う風に、やさしく褒めてやって、自分の思い通りに動かそう」と企んでいるのです。
「こう言う風に言って、生徒がいつも宿題をやってくるように、操作しよう」と企んでいるのです。


これこそが、(2-1)より危険な支配の形なのです。
生徒の人間形成を強く妨害する支配なのです。



先生は、教育の場で、(2-1)と(2-2)を可能な限り
避けるように注意して欲しいと、私は強く願っています。

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        どんぐりおじさん
       (教育心理研究者。教育カウンセラー)

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