教育と褒め言葉(その6)・・終
教育と褒め言葉(その6)・・終
2種類の<褒め言葉>の検討。
さて、次の2種類の<褒め言葉>の例を見て下さい。
(A)「挨拶が良く出来て、あなたは良い子だね」
(B)「うわー! すごいな! これまで出来なかったサカアガリが、今、出来たね!」
この二つの例の<味の違い>を、あなたは、ウスウス、感じておられると思います。
(A)似ついての見当は、前回、すみましたので、今回は(B)について、ご一緒に考えましょう。
(B)「うわー! すごいな! これまで出来なかったサカアガリが、今、出来たね!」
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検討(1)この発言をする教師の心情は、どのようなものでしょうか?
この教師は、今、この生徒が、逆上がりをやろうとしているのを、ジッと見つめています。この生徒が、逆上がりに成功したのを見て、感動し、喜びの声を上げたのです!
ただそれだけです。二人の間にあるのは<喜びの共感>だけです。
検討(2)この発言を聴いた生徒は、どう感じ、どんな生徒に
育って行くでしょうか?
「先生は、私が逆上がりをやるのを、見てくれていたんだな! 私が、やっと出来たから
喜んでくれたんだな!」と強く感じるのです。
二人の間には、<喜びの共感>があり、<温かい心の交流>があったのです!
これこそが、この生徒の成長のエネルギーとなり、この生徒自身が、自分の人格形成を確実に実行して行くのです!
結論
発言(A)・・・この教師が期待していた<良い子>を作り出します。
<良い子>は、自主性、自発性、感受性を失った<不幸な生徒>です。
発言(B)・・・この教師の生徒に対する、その瞬間の<温かい関心>は、その瞬間に、二人の間に<喜びの共感>を生み出します。
この<喜びの共感>は、その生徒の心に<成長のエネルギー>を生み出します。
この生徒は、このエネルギーを使い、自分自身の力で、元気に逞しく成長し、幸福になるでしょう!
(おわり)
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どんぐりおじさん
教育心理研究者。カウンセラー。