道徳教育とは、何か?(第3回)
道徳教育とは、何か?(第3回)
<道徳教育とは、何か>を解明するには、まず、次の二つを解明しなければなりません。
(1)道徳とは、何か? (第一回で、検討しました)。
(2)教育とは、何か?(第二回で、一部、検討しました)。
今回は、教育とは、何か? (第二回の続き)を考えましよう。
教育の目的は、教育基本法に次の様に明記されています。
教育の目的
第一条 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
では、学校教育の目的は、何でしょう?
教育基本法、第一条に明記された教育理念を、 学校教育 に 適用すれば、次のようになると考えられます。
学校教育の基本的目的は、生徒の<人格の完成>、<人格養成>である。
では、 <人格の完成>、<人格養成>とは、何でしょうか?
これでは、あまりにも抽象的で不明確なので、もう少し、具体的に示す事が出来ないでしょうか?
ここで思い出されるのが、C.R.ロジャースが、生涯をかけて、創造した次の仮説です。
「すべての人間は、生まれながらにして、自己を健全な方向へと成長、発展させようとする性質、傾向を潜在的に持っている」(実現化傾向)。
たとえ上記の仮説を知らなくても、赤ちゃんを育てたことのある親や、子供の養育、教育に当たる教育機関(保育園、幼稚園、小・中・高)で働く「先生」は、子供たちと直接、接する中でこの仮説と同じ事を、経験し実感している事でしょう。
以上のことを考えると、生徒の<人格の完成>、<人格養成>とは、次のようになると思われます。
「生徒の<人格の完成>、<人格養成>とは、
<すべての生徒が、生まれながらにして持っている潜在的能力を、ひとつ、ひとつ、現実の生活の中に開花させるため、生徒、ひとり、ひとりが、生涯をかけて実行する活動、努力である」と。
この理念を基に、学校教育の目的、「先生」の役割を、私は次のように考えています。
「 学校教育の目的は、学校と言う場で、先生が、<生徒自身が、生涯を通して、自分の実現化傾向を開花させようとする活動>を、援助し、促進する事である」と。
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どんぐりおじさん
(82歳。教育心理研究者)