教育新聞 (第54号)
<しつけ指導(挨拶、礼儀作法などの指導)>は、生徒には、通じないのでは、ないで
しょうか?
人格養成のための<新・教育学>
=対話による、生徒中心の教育=
対話の場
【自己概念テスト(1)】の結果の検討(つづき)。
(1)~(14)・・・・・すでに検討済みです。
今号は、(15)を検討します。
(15)私は、生徒に、礼儀を守らせようとする。
先生と私が、話し合っています。
私「あなたは、生徒に、礼儀を守らせようと努力しておられるわけですね?」
先生「そうです」
私「なぜ、生徒に礼儀(挨拶、お礼などの社交辞令)を守らせようとするのです
か?」
先生「社会に出てから、礼儀作法が守れるようにするためには、子供の頃から、挨拶、
お礼などが、キチンと言えるように、しつけておくことが大切だと考えるからです」
私「なるほど。では、あなたが試みている<しつけ指導>は、成功しています
か?」
先生「それが、実は、なかなかうまくいかないのです。例えば、朝、私が、生徒に、
『おはよう』と声を掛けた時には、大部分の生徒が、『お早う』と返事をするのです。
ところが、朝の会や、さよならの会など、大人の人に会ったら、挨拶をしなさい、と教
えているのですが、これを実行しません」
私「全員の生徒に、実行させる事が、あなたの目標ですか?」
先生「そうです。毎日、私は、努力して、指導しているのですが、うまくいきません」
私「あなたは、努力を続ければ、そのうち、成功すると思いますか?」
先生「ところが、そうは思えないのです」
私「ある目標・方針を実現するために、ある期間、何度も試みたけれど、上手くいかな
かった、これからも成功しそうもない、と思えるのに、<その目標・方針に、
しがみついている事>は賢明ではない、私は思います。
先生の大切な時間とエネルギーが失われてしまうからです。
では、どうするか!
<その目標・方針を、思い切って、中止すること>。
そして、<他の、もっと大事な目標>に、切り変える事。
先生の大切な時間とエネルギーを有効に使うために!
この時、<思い切って中止すること>が、何か悪い事でもするような、後ろ
めたいような気分になりませんか?
そんな気分になるのは、多分「途中で止める事は、良くないことだ」と言う偏見が、私
達の頭にあるからではないでしょうか?
しかし、よく考えてみると、<中止すること>、<失敗する事>は、決して悪い事では
ありません。
良いも悪いもありません。
むしろ、あなたが、自分の失敗を、次へのエネルギーにすることが、大切なのではない
でしょうか?
失敗して、下向きになってしまうか、上向きにするかは、あなた次第ではないでしょう
か?
少し、横道に入りました。
とにかく<実際に、いろいろ、やってみたが、出来なかった>と
言う事実を,はっきり認めることこそが、重要なのではないでしょうか」
しつけ指導だけでなく、どんな場合でも、このように(上記のように)<現実
を認めること>によって問題を解決する事が賢明だ、と私は考えています。
しかし、これは、誰にとっても、実行がとても難しいことです。
それは<上手くいかなかった、失敗した、と言う現実を認める
こと>が、なかなか出来ないからではないでしょうか?」。
先生「あなたの意見を聞いて、今、私は、随分、自分が、無理な事をやろうとし
て、がんばっていたなー、という気がしています。今、ホッとしています」。
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*ご感想、ご質問などを、心よりお待ちしています(どんぐりおじさん)。
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