どんぐりおじさんの<人間関係論>

教育学を中心に、人間関係論やコミュニケーション論などに関する私案を、いろいろ書いています

「人間の壁」(石川達三)と教育(第6回)。



「人間の壁」(石川達三)と教育(第6回)


                       


「人間の壁」(石川達三)は、昭和30年代、小学校の教師、志野田ふみ子(冷たい夫と離婚後、尾崎ふみ子)が真摯な「教育論」を追求してゆく悪戦苦闘の姿が、石川達三の鋭い眼をとうして描かれています。


今回は、尾崎ふみ子とPTAの役員、長田夫人が、偶然、列車の中で出会い、教育について、お互いの心の葛藤を真剣に語り合っています。
前回に続き、それを聞いて見ましょう。


以下、引用、抜粋です。
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 父の教育から子供を遠ざけようとする、ひそかな母の努力。・・・・それは母の教育的良心でもあり、母の陰謀でもあった。子供をその父に叛かせようとしているのだ。父が子を叱る。母が子をかばい、身をもって父と争う。二つの教育上の意見が、家庭の不和をかもす。子供は父の言葉に従順をよそおいながら,秘かに父を軽蔑し、敵視し、父のそばに寄り付かなくなってしまう。ッ地の教育は子供に対してすこしもよい結果をもたらさない。父はますます苛立ち、ますます厳しくなる。その悪循環が家庭の幸福を破壊し、家族全部を不幸にする。
 そういう家庭は決してすくなくないのだ。尾崎ふみ子は多くの資料によってそれを知っていた。子供達のつづりかたに描かれている文の半数以上は、子供たちを育てる父ではなくて、子供に言う事を聞かせる父であった。(つづく)
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教師の皆さん。
ご家庭の皆さん!
ここに書かれている尾崎先生の意見をお読みになり、今、どのように感じておられるでしょうか?
率直なコメントをお聞かせください。
お待ちしています。
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     どんぐりおじさん

             

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