教育新聞(第13号)
人格養成のための<新・教育学>
=対話による、生徒中心の教育=
(Ⅰ)実践論
(1)序論
(2)基礎概念
(い)C・R・ロジャ―ス博士の仮説
(ろ)<実現化傾向>について
ここまでは、第12号に述べられていますので、そちらをご覧になって下い。
第13号は、次の(は)から始まります。
(は)その個人(赤ちゃんから、おとなまで)に対して、外部から与えることが出来る <適切な条件>とは、何かでしょうか?
*それは<自由な環境>です。私の観察と経験からそう確信します。
*すべての人間は、この世に生まれた時から(赤ちゃんの時から、いや、多分、誕生 する前から)、自分を健全な方向へ成長・発展させることが出来る、あらゆる潜在 的能力を自分の内部に持っていて、自分の力で、そのあらゆる能力を発揮し、実現 しようとする傾向を持っています。その傾向が、<実現化傾向>です。
*赤ん坊の行動をよく観察すれば、このことは誰にでもわかる事ではないでしょう か? 誰も教えていないのに、乳房からオチチを吸い、やがて、自分の力でハイハ イをし、自分の力で立ち上がります。歯が出て、物を食べ、コトバを覚え、話し、
・・・・。
これが、<実現化傾向>が<実際に発揮されている、子供の姿>です。子供を外 から眺めている時、この生命の躍動に、私はいつも感動します。私だけではなく、 子供達を、あるがままに見ることの出来る人なら、誰でもが感じることでしょう。
(に)さて、前号から問題になっている<自由な環境>とは、どのようなものでしょう か?
*「自由とは何か?」などと、むずかしく考えるのはやめましょう。常識で誰もが 了解できるコトバで表現することにしましょう。
*私のイメージでは、「自由」とは、<その個人の体と心が「伸び伸び出来る」、 「生き生きしている」、「安心できる」、「ゆったり出来る」、「自分の好きに 出来る」、環境・雰囲気>です。
*「不自由」とは、<「強制、規制、束縛、不安、恐れ、咎め」などが、あって、 その個人の体と心が「ゆったり出来ない」、「環境・雰囲気>です。「自由」の 反対です。 =以上=
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