「先生! もっと、ほめてよ!」(第5回、最後)
「先生! もっと、ほめてよ!」(第5回、最後)
(6)ほめられなかった生徒は、どう感じる>のか?
その生徒は「Aさんや、Bさんは、よくほめられるのに、私は
どうして、ほめて貰えないのかな? きっと私は、ほめられる
人より、劣っている人間なんだ!」と、時にはハッキリと意識
し、時には無意識に、感じるに違いありません。
このような感情が<劣等感>を生むのです。
<劣等感>とは「私は、ダメな人間なんだ、能力のない人間
なんだ」と、自分を過小評価することを意味しています。
これは、実は自己誤解なのです。
なぜなら、この世に<ダメな人間>は、一人もいないからです。
<劣等感>が、ひとたび、子供の心に植え付けられてしまうと
チョットや、ソットでは、なくならないでしょう。
そして<劣等感>は、その子の一生を支配し、不幸にする可能
性が高いのです。
(7)よくほめられる生徒は、どう感じる>のか?
クラスの中で、先生から、よくほめられる子は、自分を過大評
価しやすくなるでしょう。
その結果、過大な優越感を持つ事になるでしょう。
そして、そのような人間は、威張りやすい、尊大な態度を示す
でしょう。このような態度が、好ましい人間関係を築けないこ
とは言うまでもありません。
過大な劣等感も、過大な優越感も、人間を不幸にする可能性が
高い、と私は考えています。
(8)最後に、先生方に、よくよく配慮して欲しい事がありま
す。
それは、どんなほめ方であっても(いろいろなほめ方がある事
は、既に述べました)、生徒をほめる行為は、最小限にすべき
その理由は、上記に述べたように、生徒に<誤った劣等感>や
<誤った優越感>を植え付ける可能性が高いからです。
ある生徒をほめれば、その場には、同時に、ほめられない生徒
がいるのです。
僭越ではありますが、先生方は、このことを強く認識して頂き
たい、と私は強く願っています。
(おわり)
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どんぐりおじさん