教育新聞(第30号)
<生徒の人格養成>と<教育者の人格養成>は、同時進行が、必然です。
人格養成のための<新・教育学>
=対話による、生徒中心の教育=
先生に求められる能力と、その考察(5)
(2)第三に求められる能力は、<思考力>。(その3)
(2-6)<合理的思考力>
現実の世界で起こるいろいろの物事は、すべて、実に複雑で、同じもの は、ひとつとしてありません。
似た様なケースはあっても、同じではないのです。
特に、教育と言う人間関係の中で起こる物事は、複雑ですから、先生に は、特別、慎重な<合理的思考力>が、求められます(今、私達は、教育 に関係のある<自分自身の考え>を見直し改善しようとしています)。
では、<合理的思考力>とは、どのような考え方でしょうか?
<合理的思考力>とは
(1)具体的な、可能な限り正確な事実(データー)を基にして
(2)<自分の理性>に照らしながら、<自分の理性>に合致した結論 を出すこと、が出来る思考力。
(注)<理性>は、すべての人間が、先天的に有している本姓で、人間を、
人間として、健全な方向に発展させようとする能力です(仮説)。
この説明だけでは、漠然としていてわかりにくいと思われますので、次 号で、トレーニングをやり、明確にしたいと思います。
(3)第4に求められる能力は、<判断力>。
これまでに、私達が研究してきたプロセスは、次のようになります。
現在の<自分の考え>を
疑う――→考える――→判断する――→結論(改善案)
(懐疑心) (思考力) (判断力)
<判断力>については、多くの仮説がありますが、私は、自分の人生経験や自分が 納得できる知識(B・ラッセル、C・R・ロージャス、カント、エーリッヒ・フロ ムなどから学んだもの)から、次のように考えています。
<判断力>とは、
自分が、<合理的思考力>により考え、
自分が、<満足・納得できる結論>を決定することの出来る能力。
合理的判断力。
科学的判断力。
判断の基準(モノサシ)は<自分の理性>です。道徳や常識ではありません。
<自分の理性>が弱っていると、<合理的判断力>は弱まり、合理的判断
は出来ません。ですから有意義な自己改善案は出てきません。
*次号、予告。
思考力、判断力を強化するためには、根気良くトレーニングを続けるしかありま せん。特効薬はありません。
次号では、具体例によるトレーニングを、やりましょう。
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