どんぐりおじさんの<人間関係論>

教育学を中心に、人間関係論やコミュニケーション論などに関する私案を、いろいろ書いています

<新・教育学>(その7)

(注)・・・<新・教育学>は、学校教育、家庭教育を含みます。
                     ご家庭の方も、ぜひお読みくださる事を願っています。
            


人格養成のための<新・教育学>(その7)
   =対話による、生徒中心の教育=


(Ⅰ)実践論
   (1)序論
   (2)基礎概念
      (い)C・R・ロジャ―ス博士の仮説。
      (ろ)<実現化傾向>について。
      (は)その個人に対して、外部から与えることが出来る
        <適切な環境>とは何か?
      (に)<自由な環境>とは、何か? <不自由な環境>とは、
         何か?


(ここまでは、前回、述べましたので、そちらをご覧になって下さい)。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回は、次の(ほ)から始まります。



(Ⅰ)実践論


(ほ)自由な環境・雰囲気
  子供(赤ちゃんから、社会人になるまで)のために<自由な環境
  雰囲気>を与える事が出来るのは、おとな(保護者。先生)です。


  おとなが、子供にどのように接すれば、おとなは、子供に<自由な
  環境>を与える事が出来るでしょうか?



  (1)生徒を、ひとりの人間として、大切に見守ること(自主性の尊
    重・強化・促進)。


  (2)親、教師の思い通りにしようとして、子供を指導しないこと
    (自主性の尊重・強化・促進)。


  (3)子供の願い(・・したい。・・・したくない)を大切にして、
    その願いを、出来るだけ、かなえてあげる事。
    (自主性の尊重・強化・促進)。


  (4)子供自身の生活において<子供がやるべき事>には、手出し、
    口出しをせず、子供自身が、自分の力だけで<自分がやるべき事>
    を実行するように接すること(自発性、思考力、判断力、決断力、
    実行力の尊重・強化・促進)。


      例(1)
       「ママ、ただいまー!」。 
       〔お帰り!今日は、早かったわね〕。
       「今日は、お掃除が早く終わったからね。これから、
        Aちゃんと遊んでくるよ」。
       〔行っておいで。4時までには、帰って来てね〕。 
       「わかったよ。じゃねー」。



      例(2)
        「先生、宿題やってくるの、忘れちゃったよ」。
         [そう。宿題も大切な勉強だから、次は忘れないように
         してね]。 
        「わかった」。




(へ)不自由な環境・雰囲気
   <不自由な環境>は、<自由な環境>の反対ですから、例のみあげ
   れば、充分でしょう。


     例(1)
       「ママ、ただいまー!」。 
       〔お帰り。すぐ宿題をやりなさい〕。
       「え!だって、3時に、K君と遊ぶ約束してあるんだよ」。
       〔どうして、そんな約束してくるの!! ママの言う通りに
        しなさい!】  


     例(2)
       「先生、宿題やってくるの、忘れました」。
       〔また忘れたの!君は、いつも忘れるね! どうして、
        そんなに忘れっぽいの! 今度は、きっとやってくるって、きのうも、        約束したばっかりじゃない!!〕。
       「ごめんなさい」。




(と)人格(パーソナリティ)とは、何か。 
   私達は、前に、次のことを、確認しました。


   「教育とは、何か? その目的は、ただ一つ、子供の人格養成である。
    知識教育は、大切ではあるが、人格養成に必要な補助的手段に過ぎ
    ない」。        


では、ここで人格とは何かを考えて見ましょう。


人格は、次のような、いくつかの特性から成り立っている、と私は定義し
たいと考えます。(過不足があれば、ご指摘頂きたいと思います)。


すべての人間は、これらの特性を先天的に持っていて、これらの特性を健
全な方向に発展させようと努力する性質を持っています(C・R・ロジャースの
実現化傾向)。



<人格特性>とは、                  
理性。感受性(感受力)。自主性。自立性。自律性。自発性。積極性。
勇気。観察力。自己主張力。協調性。思考力。洞察力。分析力。好奇心。
知識欲。実行力。判断力。決断力。批判力。評価能力。忍耐力。持続力。
注意力。集中力。受容力(抱擁力)。


(憎しみ、独占欲。支配欲。依存性。攻撃性。非攻撃性。所有欲、臆病,
不安)・・・(過剰になると、人間の成長を妨げる特性)。


子供のこれらの人格特性(上記の括弧の特性を除く)が、充分に発揮され、
子供が伸び伸びと成長できる<自由な環境>を、おとなが、子供達に与え
るように努力をすること。


これこそが、おとなが、子供の成長・幸福のために役立つことの出来る最大・
最重要な事ではないでしょうか。


しかし、この努力は誰にとっても困難なことなので、自分(親。教師)なり
に、たとえ不満足でも、めげづ、あせらず、コツコツと続けることが大切で
す。           
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どんぐりおじさん
こいらも、ぜひご覧下さい。  http://foresta.education

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