教育新聞 (第77号)
人格養成のための<新・教育学>
=対話による、生徒中心の教育=
「あなたは、こんな時、どうしますか?」(つづき)
=ケース・スタデイ=
(15)ある生徒が、滅多に会話をしない時。
この生徒は、 私にも友達にも、話しかけません。
学校生活の楽しみの一つは、友達とのオシャベリなのに!
私は、この生徒が、何とか、気楽に、私や友達と話が出来る ようになって欲しいと思います。
「無口が、この子の個性だ。そのうち、しゃべり出すだろ う」などと、気楽にはなれません。
さて、どうしたものか?
私の方から話しかけて、この子が口を開くチャンスを、作る 事。これしかない、と私は思います。
人間の行動は、習慣の力で動く事が、大部分でですから、習 慣づけは、教育上、重要な手段です。
<教育とは、習慣づけである>と言いたい位です。
朝起きる、歯をみがく、顔を洗う、・・・・。
私達の日常生活は、ほとんど、習慣の力で、自動的に行動し ています。
いちいち、「さて、今は、どうするか?」などと考えていた ら、人間は疲れ果ててしまうでしょう!
今のケースでも、私から、繰り返し、繰り返し、根気よく、 何度も、話しかければ、私の声が、この生徒の言語中枢を 刺激して、言語中枢の働きが、だんだん活発になり、この生 徒は、<声を出す事>が習慣になるでしょう。
いつ、どのように、話しかけるか?
これが、問題です。
よくよく、慎重にやらねばなりません!
相手は、口を開く能力、習慣が、今は、ないのです。
この生徒にとっては、話すことは、大変なのです!
彼女が、口を開きやすいように、答えられるように、絶句し ないように配慮しなければなりません。
よく考えないと、答えられないような質問はいけません。
私は、こんな事を、問いかけます。
「おはよう!」
「今朝、何時ごろ、起きたの?」
「食べ物は、何が好き?」
始めのうちは、私の問いかけに、生徒は、答える事が出来な いのは当然です。
今まで、自分がやったことがないことなのですから。
問いかけに、返事をしなかった時は、「急に、聞かれても、 困るよね」とサポートします。
これを繰り返せば、だんだん話せるようになることは、充分 期待できます。
この生徒が、会話が出来るようになれば、「井の中の蛙」が 外に出たように、この生徒の世界は広がります。
この生徒は、前より、生き生きと、伸び伸びと、楽しい生活 が出来るようになるでしょう!!
このケースだけでなく、多くのケースを観察して、私が得 た確信は、つぎの様になります。
先生や親の、
(1)ポジティブな発言が、生徒の人格・成長を促進する。
(2)ネガティブな発言が、生徒の人格・成長を妨害する。
*さー、こんな時、あなたは、どうしますか?
なぜ、そうするのですか?
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*コメントをよろしく!(どんぐりおじさん)
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