教育新聞(第56号)
あなたは、どんな時に、相手を怒るのでしょうか?
人格養成のための<新・教育学>
=対話による、生徒中心の教育=
【自己概念テスト(1)】の結果の検討(つづき)。
(1)~(15)・・・・すでに検討済みです。
今号は、(16)を検討します。
(16)私は、生徒を、怒る。
A先生と、B(私)が話し合っています。
B「A先生は、生徒たちを怒ることが,多いのですか?」
A「そうです。私は、すぐ、生徒を怒るのです!」
B「どんな時に、怒るのですか?」
A「そうですね。いろんな時に、怒りますね」
B「そうですか。A先生は、『生徒を、よく怒る自分』を、どう思いますか?」
A「難しい質問ですね。そんな事は、これまでに、聞かれた事がないので、どう答えた
ら良いかさえ、解らないのですが・・・」
B「では、質問をもっと具体的にしましょう。『生徒を、よく怒る自分』に満足してま
すか、不満足ですか? あるいは『生徒を、よく怒る自分』を、好きですか、嫌いです
か?」
A「もちろん,そう言う自分が、嫌いです。怒った後、生徒も、私も不愉快になるので
すから」
B「そうですか。それでは、出来れば、『怒らない自分』に,変わりたいのですか?」
A「そうです。すぐにでも、変わりたいのです。でも、人間の性格は、一生,変わらな
いですよね?」
B「とても、むずかしいことですが、自分自身の力で変わることが出来るのです。
これは事実です」。
A「ほんとですか! 私は、<人間の性格は、もって生まれたものだから、
一生、変わるものではない>と思っていましたが、ほんとに、変われるの
ですか?」
B「変わることが出来ます。
もし変わらないとしたら、教師の仕事とは、何でしょうか?
教師の仕事は、生徒と付き合いながら、生徒の人格、性格を、より人間的な、より健全
な方向に、変える事ではありませんか?」
A「確かにそうですね。持って生まれた性格が、変化しないとしたら、教師による教育
活動は無意味だ、と言うことになってしまいますね」
B「おっしゃる通りです。
それに、A先生は、ご自分が担当している生徒達の性格が、どんどん変化して行くのを
日々、実際に、ご覧になっておられますよね」
A「落ちつきのない生徒が、見違えるほど落ちついて来たりしますからね」
B「そうです。私も子供達のすばらしい成長には、いつも感動しています。生徒たち
は、日々、何かしら、少しずつ、成長しているはずです。
ですから、持って生まれた人間の性質は、一生、変わらない、と言うA先生のお考え
は、間違いだと思いますが、いかがでしょうか?」
A「確かに、私の考えは、事実に反していますから間違いです」
B「ご自分の考えが、間違っていたことを認められるのですね」
A「認めます。いつの間にか、間違った考えを、勝手に思い込んでいたようです。
ただ、ここで、疑問が出てくるのですが・・・」
B「では、次号で、その疑問を、ご一緒に考えたいと思います」(つづく)
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