教育新聞(第50号)
人格養成のための<新・教育学>
=対話による、生徒中心の教育=
人間の性格
(6-4)「自分に関するデーター」の分析。
(6-4-3)【自己概念テスト(1)】結果の検討。
(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)・・・すでに検討済みです。
今号は、(9)からです。
(9)「私は、生徒が話しかけてきた時、聴く」について。
「聞く」と「聴く」の違いは、何でしょうか?
その違いを考えて見たいと思います。
その違いは文字が、示しています。
「聞く」・・・先生が、生徒の発言を、自分の「耳」で音波を感知する事です。
生徒の発言に含まれる「事柄・内容」を理解する事です。
ですから、ここでは、「事柄・内容」を理解するために、先生の頭が働いています。
「聴く」・・・先生が、生徒の発言を、自分の「心」で感じる事です。
生徒の発言に含まれる生徒の「気持(感情、願い)」を、自分の「心」で感じる事です。
ですから、ここでは、先生の「心」が働いています。
すべての人間の、すべての発言は、その比率は、その時々で異なります。
しかし、かならず、「事柄・内容」と「気持(感情、願い)」の二つの要素を含んでいます。
以上は、本題から、外れているように見えるでしょうか?
外れているようで、外れていないと思います。
この(9)項を検討する前提条件として、以上の事を理解しておく事が、どうしても必
要だからです(以上のことは、第18号で詳しく述べてありますので参照して下さい)。
いよいよ、本題に入りましょう。
今、生徒が、「先生!」と、あなたに話しかけて来ました。
この瞬間、あなたは、生徒の発言の、何に注目するでしょうか?
(1)もし、あなたが、この瞬間、「この生徒は、これから、何を話すのかな?
話したい事があるのだな」と感じたとします。
あなたは、この瞬間から、この生徒の発言の「事柄・内容」を聞こうとしています。
あなたは、生徒がこれから話してくる「事柄・内容」に注目しています。
あなたの、この瞬間の態勢は、「聞く」態勢です。「事柄・内容」を聞いて、理解しよ
うとする態勢です。
あなたの頭が作動しています。
(2)もし、あなたが、この瞬間、「この生徒は、何か、私に伝えたい気持、話したい気持があるんだな。
だから、私に話しかけてきたんだな」と感じたとすれば、この瞬間の、先生の態勢は、「聴く」態勢です。
ここでは、あなたの心が作動していますから、あなたは、生徒の発言に含まれている、生徒の「気持(感情、願い)」を感じ取ることが出来るでしょう。
教育の目的は<生徒の成長の促進>を実行することであるならば、この目的は、主に<生徒の気持>と<先生の気持>の交流によって、実現されるのですから、先生の感受性と集中力が必須条件となってきます。
この(9)項が、もしマイナス側にあるならば、プラス側に持って行くために、あなたの感受性と集中力を、今より高める努力がどうしても必要となります。
日常生活の中で、瞬間、瞬間に、自分の心に湧き起こる自分の「気持・願い」をキャッチする努力を続けて、+2に、少しづつ移行して欲しいと思います。
では具体的には、どのようにすれば、よいのでしょうか?
そのことに関しては、既に、第24号、第26号、第27号、第49号で述べられていますので、それらを参照して下さい。
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*ご感想をお待ちしています(どんぐりおじさん)。
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