先生のための<ひとこと集>(第17回)
先生のための<ひとこと集>(第17回)
ひとこと ⑰自己概念(自己認識)の正体。
これまで述べてきたように、自己概念(自己認識)とは、自分が、自分に対して抱いている、多くの概念(考え)です。
たとえば、田中先生は、自分の事を、こんな風に考えています。
「私は、親切な人間である」
「私は、教師には向いていない」
「私は、子供が、きらいだ」
「私は、内向的だ」
などなど。
なぜ、田中先生は、このような自己概念を持つのでしょうか?
今回は、これから、この辺の事を、研究したいと思います。
私は、自分自身の経験から、また多くの心理学者の皆さんの文献から、私達が自分に対して抱く自己概念の正体を検討してみたいと思います。
田中先生は「私は、親切な人間である」と言う自己概念を抱いています。
実は、この自己概念は、田中先生が自分に抱く理想像>なのでは、ないでしょうか?
田中先生は、「私は、いつでも、親切な人間でありたい」のでは、ないでしょうか?
心理学では、このように、<自分が、自分に望む理想像>を、<理想の自己(自分)>と呼んでいます。
また、田中先生の<実際の自分>を、心理学では、<現実の自己(自分)>と呼んでいます。
田中先生は、<現実の自己(自分)>を、<理想の自己(自分)>だ、と誤解しているのではないでしょうか?
どうもそのようです。
なぜなら、このように考えると、田中先生が、実際の生活の中で、自分の不親切に気付かない現象を説明できるからです。
この仮説は、多くの研究によって、証明されています。
だからと言って、この仮説が、絶対に正しいとは、誰にも断言することは出来ません。
結局「私は、親切な人間である」と言う<自己概念の正体>は、実は、「私は、親切な人間でありたい」と言う<理想の自己>だったようです(仮説)。
以上は、心理学者の見解(仮説)です。
それはそれとして、素人の私達は、自分の生活の中で、自分なりに、次のような方法で
、次の事を、仮説ではなく、事実として、発見しましょう!
発見したいこと(次の3点)。
(1)私が、「自分の自己概念は、自分の理想像だったのだ!」と言う事に気づき、
(2)その時、私の自己概念(理想像)は崩れ、
(3)その時、私は<実際の自分>に戻ることが出来、<私>と言う新たな<実際の自 分>が、誕生する。
<実際の自分>は、一刻、一刻、自分の心に、湧いては、消える、<感情>と<願い>を感知する事(100%は、誰にも出来ませんが)が出来るのです。
そうなれば、<実際の自分>が、どんな人間である、か、を、少しずつ知る事が出来、自分自身を、人間として、成長させて行くこと(人間形成)が出来るのです。
今、この記事をお読みの皆さんが、<実際の自分>で生活し、現実的な、生き生きした、生き甲斐のある生活に接近して行くことを、私は願っています。
そうなれば、あなたは、教師として、教育の目的である<生徒の人間形成>に役立つことが出来るに違いありません!
さらには、あなたは、ひとりの人間として、あなたの家族や仲間の<人間形成>にも、役立つことが出来るに違い有りません!
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いつでもコメントを心待ちにしている
どんぐりおじさん
(教育心理研究者。教育カウンセラー)
ここまでの事は、前回の復習部分です。
私は、皆さんに、この復習部分を正確に理解して欲しいのです。
そうしないと、自己概念(自己認識)と言う<思い込み>から、自分を解放することが出来ないのではないかと心配なのです。
さて、ここからが、今回の本題です。
私達が、自己概念(自己認識)と言う<思い込み>から、自分を解放するには、どうしたら良いのでしょうか?
<その具体的方法>
(1)まず、これまでに述べられた次の事を、よく理解して下さい。
(1-1)自己概念の定義を、理解して下さい。
(1-2)自己概念は、固定概念(思い込み)であることを理解して下さい。
(2)次に、自分は、自己概念を持っていることに、気付いてください。
そのためには、具体的に、どうしたらよいでしょうか?
(2-1)自分が、自分の心を見つめるため、自分の心に集中する能力(集中力) を高めて下さい。
始から、長い時間、集中することは、誰にも出来ません。
生活のなかで、根気よく、集中することを心がけ、集中能力を高めて行 くことが出来れば、集中出来る時間は段々と長くなって来ます。
集中力を高めるためには、禅寺にこもる必要はありません。
前にも述べた様に、自分の生活の中で、人の話を聞くとき、食事のと き、ほかの事を考えず、その事だけに、シッカリと、注目する訓練(努 力)をすれば良いのです。
(2-2)次に、瞬間、瞬間、自分の心に,湧いては消えて行くものを、感じ 取ることを心がけ、感受性、感受力を高めて下さい。
自分の心に、瞬間、瞬間、湧いては消えて行くものとは、<感情(気持 ち)>と<願い>の、二つです。
自分の心に集中する能力(集中力)が高まるにつれて、感受性、感受力
は、同時に、高まってくるのです。
(1)と(2)は、実際は、同時進行です。
(3)感受性、感受力が、高まれば、自分の心に、瞬間、瞬間、湧いては消えて行くも の・・・<感情(気持ち)>と<願い>のふたつ・・・をキャッチすることが出来 るようになります。
田中先生は、相手に対し、時には親切心を、時には憎しみを、時には羨ましさを。
田中先生は、ここで、ハッと、驚いて、気付いて欲しいのです!
「私は、いつでも、人に親切だと思っていたが、実際は、そうではないのだ!」と。
この時、田中先生の自己概念(「私は、親切な人だ」)は、崩れたのです。
この時、田中先生は、自分が抱いていた自己概念(思い込み)から解放され自由に
なったのです。
田中先生は、すばらしいパーソナリテイ・チエンジを実現したのです!
人間的成長が、実現したのです!
田中先生は、これまでの狭い世界から、広い世界に飛び出したのです。
田中先生の生活は、これまでより、生き生きとし、感性的になったのです。
泣いたり、喜んだり、ガッカリしたり、・・・・。
田中先生は、より充実した、生き甲斐のある、すばらしい生活を開始したのです!
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いつでもコメントを心待ちにしている
どんぐりおじさん
(教育心理研究者。教育カウンセラー)