先生のための<ひとこと集>(第16回)
先生のための<ひとこと集>(第16回)
ひとこと ⑯ 私達が、自己概念(自己認識)と言う<思い込み>から、自分を解放するには、どうしたら良いのでしょうか?
自己概念(自己認識)とは、自分が、自分に対して抱いている、多くの概念(考え)です。
田中先生は、自分の事を、こんな風に考えています。
「私は、親切な人間である」
「私は、教師には向いていない」
「私は、子供が、きらいだ」
「私は、内向的だ」
などなど。
自己概念は、暗黙の内に、次のような意味を含んでいるのです。
例えば「私は、親切な人間である」と言う自己概念は、暗黙の内に「私は、いつでも、どこでも親切な人間だ」と言うことを意味し、自己主張しているのです。
実際には、こんなことは、あるはずがありません。
なぜなら、人間は、他人に対し、
*ある時は、親切さを感じ、
*また、ある時は、憎しみを感じ、
*また、ある時は、悲しさを感じるのですから。
人の心は、否応なしに、一刻、一刻、動いて行くのですから。
結局、田中先生は、田中先生の<現実(実際)の自分>を、「私は、親切な人間である」(自己概念)と、誤解(誤認)しているのです。
別の言い方をするならば、<田中先生の自己概念>と<田中先生の<現実(実際)の自分>は、<一致していない>のです。
<不一致>なのです。
ここまでの事は、前回の復習部分です。
私は、皆さんに、この復習部分を正確に理解して欲しいのです。
そうしないと、自己概念(自己認識)と言う<思い込み>から、自分を解放することが出来ないのではないかと心配なのです。
さて、ここからが、今回の本題です。
私達が、自己概念(自己認識)と言う<思い込み>から、自分を解放するには、どうしたら良いのでしょうか?
<その具体的方法>
(1)まず、これまでに述べられた次の事を、よく理解して下さい。
(1-1)自己概念の定義を、理解して下さい。
(1-2)自己概念は、固定概念(思い込み)であることを理解して下さい。
(2)次に、自分は、自己概念を持っていることに、気付いてください。
そのためには、具体的に、どうしたらよいでしょうか?
(2-1)自分が、自分の心を見つめるため、自分の心に集中する能力(集中力) を高めて下さい。
始から、長い時間、集中することは、誰にも出来ません。
生活のなかで、根気よく、集中することを心がけ、集中能力を高めて行 くことが出来れば、集中出来る時間は段々と長くなって来ます。
集中力を高めるためには、禅寺にこもる必要はありません。
前にも述べた様に、自分の生活の中で、人の話を聞くとき、食事のと き、ほかの事を考えず、その事だけに、シッカリと、注目する訓練(努 力)をすれば良いのです。
(2-2)次に、瞬間、瞬間、自分の心に,湧いては消えて行くものを、感じ 取ることを心がけ、感受性、感受力を高めて下さい。
自分の心に、瞬間、瞬間、湧いては消えて行くものとは、<感情(気持 ち)>と<願い>の、二つです。
自分の心に集中する能力(集中力)が高まるにつれて、感受性、感受力
は、同時に、高まってくるのです。
(1)と(2)は、実際は、同時進行です。
(3)感受性、感受力が、高まれば、自分の心に、瞬間、瞬間、湧いては消えて行くも の・・・<感情(気持ち)>と<願い>のふたつ・・・をキャッチすることが出来 るようになります。
田中先生は、相手に対し、時には親切心を、時には憎しみを、時には羨ましさを。
田中先生は、ここで、ハッと、驚いて、気付いて欲しいのです!
「私は、いつでも、人に親切だと思っていたが、実際は、そうではないのだ!」と。
この時、田中先生の自己概念(「私は、親切な人だ」)は、崩れたのです。
この時、田中先生は、自分が抱いていた自己概念(思い込み)から解放され自由に
なったのです。
田中先生は、すばらしいパーソナリテイ・チエンジを実現したのです!
人間的成長が、実現したのです!
田中先生は、これまでの狭い世界から、広い世界に飛び出したのです。
田中先生の生活は、これまでより、生き生きとし、感性的になったのです。
泣いたり、喜んだり、ガッカリしたり、・・・・。
田中先生は、より充実した、生き甲斐のある、すばらしい生活を開始したのです!
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いつでもコメントを心待ちにしている
どんぐりおじさん
(教育心理研究者。教育カウンセラー)