教育新聞 (第28号)
保護者の皆さんへ
「教育新聞」は、学校生活だけでなく、家庭生活にも、活用できます。
学校生活では・・・・<先生と生徒>の関係
家庭生活では・・・・<ご両親とお子さん>の関係
と、切り替えて、ご愛読下さい。
教育的立場にある人々(教師、保護者)の<価値観>・<性格>が向上すれば、それだけ、子供たちの成長により良い影響をおよぼすことは、疑いの余地がないでしょう。
人格養成のための<新・教育学>
=対話による、生徒中心の教育=
先生に求められる能力と、その考察(3)
(1)第2に、求められる能力は、<懐疑心>。
懐疑心は、私達、すべてのおとなに、求められる重要な能力です。
しかし、特に、先生に求められる理由が、あります。
すべての生徒は、先生を尊敬し、先生が好きなのです。
特に8歳位までは、そうでしょう。
ですから<先生の言動(発言、態度)>は、他の誰よりも、絶対的な響き で、生徒の心に強く刻印され、
現在の、さらに未来の、生徒の行動を左右し、成長を左右し、幸福を左右す
ることは疑う余地がないでしょう。
先生が、<現在の自分の言動>を「自分として、これで満足なのか」と疑い、
考え、改善して行けば行くほど、<生徒の人格養成(人間形成)>(これが、
教育の、ただひとつの目的です)は、ますます促進されるに違いありません。
(2)第3に、求められる能力は、<思考力>。
(2-1)思考力。
疑っているだけでは、埒が明きません。
<疑うこと>の次に必要な能力が<思考力>です。
疑ったものを、出来るだけ正確に考えなければならないからです。
それには、強い<思考力>が要求されます。
この頭脳労働は、強い忍耐力と、多くのエネルギーを必要とします。
(2-2)考えるために必要なものは、何でしょうか?
それは、多くの正確な知識(データー)です。
知識がなければ、考えることは出来ません。
しかも、それらの知識は、出来るだけ正確でなければなりません。
不正確な知識を基にして考えれば、不正確な答えしか出てこないのですか ら。
知識には、おもに、次のようなものがあります。
(1)自分の経験から得た知識。
(2)他人の意見から得た知識。
他人の意見を知るためには、信頼できる多くの人と議論すること、真摯に生 きた著者(C・R・ロージャス、B・R・ラッセル、スピノザ、トルストイ、 仏陀、・・・)の本を読むことなどが、有益な方法でしょう。
(2-3)何を、疑い、考えるのか?
生徒に影響をおよぼす<先生の言動>です。
その言動は、次の要因によって決まると、私は考えます。
(1)先生自身の、<現在の、いろいろな考え(価値観)>。
(2)先生自身の、<現在の性格>。
もし、この考えが、正しいとするならば、この二つの要因を、再検討(疑い、 考え直すこと)し、改善して行かねばなりません。
すべての人間の人格は、未完成なのですから、完成に向って、自分自身を改善 し、成長させて行かねばなりません。
この道にこそ、人間としての幸福と喜びがあることを、私は経験しています。
(2-4)考えてみたい、自分の<考え(価値観)>。
それは、いろいろありますが、まず、自分の職業上、身近なものから、再検 討するのが、現実的ではないでしょうか?
改善後の効果を、生徒との間で、自分の目で観察し、確認することが出来る からです。
例えば、次のような<考え(価値観)>を、検討することは有益でしょう。
*「礼儀作法を生徒に身につけさせることは、教育上、きわめて大だ」
*「生徒が、ウソをつく事は、悪いことだ」
*「生徒が、悪いことをしたら、謝らせねばならない」
*「ケンカは、悪いことだ」
*「生徒が良いことをしたら、ほめるのが、教育上、大切だ」
*「教育の目的は、子供が、将来、社会で偉い地位に就く事だ」
*「教育とは教師が知っている知識や考えを、生徒に教え、納得させることだ」
<第28号>ををお読みになって、あなたは、どう感じられたでしょうか?
懐疑心を発揮して、いろいろ、疑ってください。
他人の意見を鵜呑みにすることは、危険です。
<あなた自身の考え>を築いてゆくことが、出来なくなりますから!! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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