<新・教育学>(その9)
人格養成のための<新・教育学>(その9)
=対話による、生徒中心の教育=
【1】実践論
(1)まえおき
いよいよ、私達は、実践のための<具体的な方法>の研究を始めます。
この研究は、おとな(教師 や親 )が<子供の人格養成>を促進するための、
具体的で実践可能な方法を発見するための研究です。
このような方法が発見され、その方法が おとな によって、たとえ不十分で
あっても、実践されなければ、あるいは、実践しようと努力されなければ、
学校や家庭での、子供に対する おとなの態度は、不明確な漠然としたもの
になってしまい、多くの困難にぶつかってしまうでしょう。
そうなれば<子供の人格養成>は、残念ながら、不十分なものになってしま
うでしょう。
反対に、もしも、これからの研究によって、有効な実践方法が発見でき、
おとな のリードによって、たとえ不十分であっても、< おとな> と
<子供>が協力して実行されるならば、両者は人間的に成長し、それにと
もなう大きな喜びが、両者の間にかならづ生ずるのです。
(2)教育の場
教育の目的は、ただ一つ、<子供の人格養成(人間形成)>です。<子供の人間形成>
です。
知識教育は、そのための補助手段に過ぎません。
<子供の人格養成>は、すべての子供が、持って生まれた潜在的能力を発
揮しながら、子供自身が、時間をかけて、ゆっくりと<教育の場(学校、家
庭、幼稚園、ほか)>で実現して行きます。
*ただし<教育の場>には、かならず、おとなが存在して、おとなから与え
られた<自由な雰囲気>が必要です。
<子供の人格養成>は、家庭、幼稚園、学校などで実践されますが、話を簡
潔にするため、これからは学校(時に家庭)の場合を考えることにしましよ
う。
(3)具体的な実践方法は、<対話>です。
学校の中での<生徒の人格養成>は、大部分、先生と生徒の<対話>によっ
て実行されることは明らかです。
ですから<生徒の人格養成>と言う教育目的を、先生が有効に促進する実践
の方法は、<対話>とは、どのようなものであるか、を研究することによっ
て発見することが出来るでしょう。
(4)<対話の場>
ここで<対話の場>と言う概念を設定します。
<対話の場>には、一人の先生と、一人の生徒が、向かい合って<対話>を
しています。
先生は、この<対話の場>に、<自由な雰囲気>を作り出し、<生徒の人格
養成>を促進しようと努力します。
<自由な雰囲気>については、以前、すでに研究がすみました。
一人の先生が、二人以上の生徒に向って話をしている場合は、どうなるので
しょうか?
その場合でも、実際は、先生は、生徒一人、一人を、見ながら話をしている
のですから、この場合は、<対話の場>が、同時に、二つ以上あるだけです
(同時に、二人の生徒を見る事が出来たとして!)。
結局、研究の対象は、ひとつの<対話の場>だけで十分だ、と言うことにな
ります。
(5)<対話>の研究=<人間関係>の研究=<コミ
ュニケーション>の研究。
先生と生徒が、<対話の場>で<対話>を始めました。
さて、ここでは、具体的に、何が、行われているのでしょうか? 何が、
起こっているのでしょうか?
次回は、皆さんと一緒に、その辺を研究したいと思います。
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どんぐりおじさん
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