どんぐりおじさんの<人間関係論>

教育学を中心に、人間関係論やコミュニケーション論などに関する私案を、いろいろ書いています

教師に求められる人間的能力(6)  <先生が自分の性格を認識する洞察力> ・・= 自己概念テスト結果の分析(15)=

   教師に求められる人間的能力(6)



  <先生が自分の性格を認識する洞察力>
       = 自己概念テスト結果の分析(15)=



               

(18)私は、生徒に、不満を感じる。
(1)「私は、生徒に、しばしば、不満を感じる」
生徒のどのような言動に、不満を感じるのでしょうか?
ここがポイントです。不満を感じるのが、妥当な場合と、妥当ではない場合
が、あると思います。


(イ)次のような時、不満を感じるのは妥当であると、私は思います。
授業中に生徒が、騒がしくて、授業が出来ない時。
生徒が遅刻して来た時。
これらの不満は、先生としての責任感から生じたものであり、生徒の成長に役立つと考えられるので、妥当な不満だろう、と私は思います。


もし、このような場合に、不満を感じないとすれば、生徒への関心、教師としての責任感が、弱いのかも知れません。



(ロ)次のような時、不満を感じるのは妥当ではないと、私は思います。
「おはよう」と挨拶した時、生徒が黙っていた場合。
生徒同志のケンカをとめたのに、ケンカをやめなかったとき。
「赤い靴を履くのは、やめなさい」と注意したのに、生徒がその通りにしなかったとき。


これらの不満は、生徒の成長とは関係のない、誤った教育観から生じたものかもしれないと、私は考えます。ですから、妥当な不満とは,言えないでしょう。
先生自身が、<現在の自分の教育観>を、改善する事が出来れば、このような身勝手な不満は、なくならないにしても弱まるでしょう。


私が想定する<この先生の教育観>
*「挨拶は、キチンと返すべきである」
*「ケンカをしては、いけない」
*「赤い靴を履いては、いけない」



(2)「私は、生徒に、ほとんど不満を感じない」。
先生は、生徒の成長を願いながら、生徒たちと、日々、関わっています。ですから、この願いが強ければ強いほど、思うようにうまくいかないことが多く、いろいろな不満、怒りなどが、あなたの中に生じると考えられます。
それなのに、「ほとんど不満を感じない」のは、なぜでしょうか?
その原因は、なんでしょうか? 
<生徒の成長を願う気持>が弱いため、<生徒の言動に対する関心>が薄く、生徒をよく観察していないのではないでしょうか?  
もし、そうであれば、不満も、怒りも、喜びも、感じる事が、ほとんどなくなってしまうでしょう。残念です。



(19)私は、生徒を、自分の思う通りに動かしたい。
 この項目については、言わずもがな。



(20)私は、生徒と一緒にいる時、イライラする。
イライラする事が多いとつらいので、イライラを少なくするために、どんな時、イライラするのか、観察して下さい。
たとえば、(19)項で、生徒を自分の思う通りにしたい気持(支配欲)が強いと、イライラ回数は、多くなるでしょう。
人間は、生徒に限らず、他人の思い通りには、動くわけがありません。「生徒を思いどうりに動かしたい」と言う支配慾が、まず間違っているのです。


あなたが「生徒を思い通りに動かしたい自分」に気づけば、その時、この束縛から解放され、自由になり、イライラはなくなるか、または弱まるでしょう。



(21)私は、生徒と一緒に笑う。
笑う回数が、多いほど、先生と生徒の関係は、豊かになり、生徒の成長を促進する事が出来るでしょう。
先生も、生徒も、よく笑う、明るい教室には、自由があり、生徒も先生も、共に、生き生きとしていて、教育の唯一の目的である<生徒の人格養成>は促進されるでしょう。
       
この反対の場合は、上記の反対となり、生徒は成長しにくいでしょう。



(22)私は、生徒と一緒にいる時、楽しい。
(1)「私は、生徒と一緒にいる時、とても楽しい」。
先生が楽しければ、生徒も楽しい。楽しい教室は、自由があふれ、生徒も先生も成長する。 
      
(2)「私は、生徒と一緒にいる時、ちっとも楽しくない」。
一体、どうしたのでしょうか? 
生徒達は、先生方より、生き生きしています。
生徒同志は、お互いに楽しんでいます。
あなたは、その様な楽しい雰囲気の中にいるのに、なぜ、あなただけ楽しくないのでしょうか? 


あなたは「私は、生徒と一緒に楽しみたい」と思いませんか?
「なぜ、私は、楽しむ事が出来ないのだろうか?」と不思議に思いませんか?
楽しむ事が出来ない<何か>が、あるはずです。
その<何か>は、あなたにしか、見つけることが出来ません。
もしその<何か>を、あなたが発見した時(気付いた時)、あなたは、生徒と一緒に楽しむ事が出来るようになるでしょう。



お願い。
(23)、(24)、(25)は割愛します。各自で検討して欲しいと思います。
これで、自己概念の検討、分析を終わります。



ご質問、ご意見がありましたら、お気軽にお知らせ下さい。          
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どんぐりおじさん


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