どんぐりおじさんの<人間関係論>

教育学を中心に、人間関係論やコミュニケーション論などに関する私案を、いろいろ書いています

教育新聞(第9号)

新年号(第9号) 2016年1月7日 発行 人格養成のための<新・教育学>(その2)
        =対話による、生徒中心の教育
(Ⅰ)生徒の幸福とは、何でしょうか?
 (1)教育の最終目的は、生徒の幸福を目指すものであることは、云うまでもありませ   ん。それでは、生徒の幸福とは、具体的にどのようなものでしょうか? 将来、生   徒がどのような人間になることを、教師は願うべきでしょうか? お金持ちになる
   ことでしょうか? 大企業の社長になることでしょうか? それとも別の何かで    しょうか? 皆さんはどのようにお考えでしょうか?
 (2)多くの偉い人達が、人間の幸福について語っています。仏陀、トルストイ、スピ   ノザ、デカルト、ゲーテ、アラン、ラッセル、ヘッセ、フロム・・・・。
   これらの人達の幸福論はほとんど同じで次のように言っている、と私は思います。    「人生をかけて、人間が目指すべき目的は、自分自身の人格(性格)を形成して
   行くことだ! そのゴールが、自己完成であり、悟りである。その時、人間は最高   の幸福、最高の喜びを体験することが出来る。ここに至る道は、非常に困難である   が、だからこそ、やりがいを感じることが出来る生活が、ここにあるのだ!がんば   れ!」と。
 (3)仏陀は、苦しく困難な修行を何年も続けて、ついに悟りを開いた、と言われてい   ます。「悟りは、自己完成です。人格養成のゴールです。人間の人格が、最も成長   した姿です。ここに、人間が感じることの出来る至福が、最高の喜びが、最高の幸   福がある」と仏陀は言っている、と私は思います。


(Ⅱ)教育の目的は、ただ、ひとつ!
 (1)第8号では、教育の目的を、次のふたつに分けました。
   (ィ)知識教育
   (ロ)人格養成
    しかし、生徒が一人の人間として、自己の人格を養成していくためには、知識が  必然的に必要になる(また、知識がなければ、毎日の生活さえ、出来ません)のです  から、(ィ)は(ロ)に含まれることになります。(ィ)は、(ロ)のための重要な  手段です。
  したがって教育の目的は、ただ一つ<生徒の人格養成である>と言う事になります。


 (2)では、<生徒の人格養成>は、誰が、いつ、どこで、どのようにして、実現して    行くのでしょうか?
   それは、生徒自身が、自分が持っている多くの能力を高め、その能力を発揮しなが   ら、毎日の生活を通して、自分の人生を賭けて、少しずつ実現して行くのです。で   すから、生徒の人生の目標は、<自分自身の人格を養成して行くこと>です。
    しかし、生徒は、(5)に述べたようなことを実現して行く力を、はたして、    持っているのでしょうか? 
    これについては、カール・R・ロジャース博士が、すばらしい仮説を発表してい   ます。この仮説を述べる前に、まずは『ロジャース博士のプロフィール』を見てみ   ましょう。


      アメリカ合衆国の臨床心理学者。「クライエント中心のカウンセリ
      ング」の創始者。日本にも、2度、来日している。ウィスコンシン
      大学を卒業し、2ヵ月後にヘレンと結婚。コロンビア大学教育学部
      で臨床心理学を学び、在学中、ニュウヨーク児童相談所の研修員と
      なる。卒業後、ロチェスター児童虐待防止協会で12年間、カウンセ
      リングに携わる。オハイオ州立大学、シカゴ大学、ウィスコンシン
      大学で教授となり、教育と研究を行い「クライエント中心のカウン
      セリング」を創始した

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